2015年08月

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    28 : 本当にあった怖い名無し[] 投稿日:2010/01/31(日) 00:02:26 ID:vtu/WEn6i [1/2回(iPhone-SB)]
     その仏壇は部屋の中央、入り口正面の壁際にあった。 
     衣装ダンスを二周りほど大きくしたその黒い箱の両脇には、デスクが二つ箱に向けて置かれていた。 
     これらは総務1課長、2課長の席である。 
     彼らの部下達は、仏壇に向けて机を並べていた。つまり課長席とは90度向きが異なる。そして1課、2課の間は通路になっているため、部屋を開けるとまっすぐに仏壇を見据えることになる。あるいは見据えられることになる。 
     仏壇は格別に色の濃い黒檀で、表面に精巧な彫り物が施されているが、金具は取っ手と蝶番以外何もなく。全くの黒一色である。 
     そしてその扉は閉ざされている。常に閉ざされている。 

     この部屋の部署に配属された者は最初にこう言われる。 
    「決して触れるな。決して聞くな。決して語るな」 
     こうしてこの部屋には線香も花も供えられない仏壇があるのだった。 

     島崎も異動するなりそう言われ、最初こそ面食らったものの、慣れてしまえばどうということもなかった。課長の席の向きが変だが、課長に書類を見せている間にこの課で一番かわいい(だから一番前の席なんだろう、課長め)三波さんが隣に見れてかえっていいくらいだ。 
     雑務に追われ、たまには同僚と飲んで、ごくごくたまには合コンもして、そして最後には寂しく一人ワンルームマンションに帰る日々だった。 
     雑務と言いながら時には至急に対処しなければならない仕事もあり、そういう仕事が溜まって残業になることもある。 
     「お先、明日までな」と課長に言われて、島崎がひとりぼっちになったのは9時を回ったころだった。 
     「これ、徹夜じゃねぇの」 
     他人事みたいに言ってみて、却ってひとりげんなりする。そんなのやってられない。 

    (続く)

     
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    97 : 本当にあった怖い名無し[] 投稿日:2010/02/15(月) 04:14:28 ID:0j0FKe720 [1/2回(PC)]
    おれの地元の小学校にも、井戸あったなぁ 
    四角くくレンガ(?)みたいなので囲まれて、鉄の板で完全封印っ感じに蓋してあったけど 
    古い校舎(今は建てかえられたけど)やったで、いろいろ怪談とかもあって 
    そんなかの一つにその井戸もあった 
    井戸のある場所は校舎を挟んでグランドの反対側で日もあたらないところ 
    学校の人はみんな裏庭って呼んでたんだけど 
    そこの真ん中からへんにぽつんとあって 
    当時の走り回る餓鬼だったおれは邪魔やなぁなんて思ってた 

    んでその怪談ってのがまぁ怖いというか・・・ 
    おれも体験した話でその建てかえられる前の学校の出身なら誰でも知ってると思うが 
    その井戸の中から鈴の音が聞こえてくるって話 
    その井戸の近くで遊んでると井戸の中(かどうかはわからんのだが)から鈴の音が聞こえてきて 
    井戸の中に引きずり込むとか 
    蓋されてんのにどうやって引きずり込むんだw 
    とか思ってたおれは友達と一緒に鈴の音を聞きに行ったりしたけど 
    やっぱり聞こえん 
    友達の中には聞いたなんていう奴もいたからおれも「聞いた聞いた、こえ~」とか言ってたっけ 
    続く 

     
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    852 : 1/5[sage] 投稿日:2010/04/22(木) 18:02:48 ID:3i0bH9pE0 [1/5回(PC)]
    昔の職場の同僚Aさんから聞いた話 
    Aさんは関西に住んでて、毎年お盆は中国地方にある田舎に車で帰ってた 
    その年は生憎翌日も仕事があったので、日帰りする事に 
    墓参り等を済ませて実家を出た頃には夜になっていた 

    帰りは高速を使うつもりだったんだけど 
    既に帰省ラッシュが始まってたんで夜とはいえ混んでるかも知れない 
    それで手元にあった抜け道マップを見ると 
    ちょうど良い道があったのでその道を行く事にした 

    後から考えるとこれが大失敗だった
     
     
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    712 : 本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:2010/03/18(木) 22:44:12 ID:+7ItKz5L0 [1/4回(PC)]

    2年前の正月休みに大学の仲間とドライブにいったのよ 
    高知にある仲間の実家へ一泊して帰ってくるプラン 
    運転は交代で途中で疲れたら車内泊 

    で1日目の夜に四国入りして 
    高知までは後4時間くらいだがさすがにばてて一休憩しようって話になった 
    自分は道中寝ていたせいもあり眠くないが夜の運転に自信がないので同意した 

    街灯は道の前に1本あるだけで暗がりばかりで周りの景色は分からないがなんとなく山間の道のような気がした 

    眠れないけど目を閉じて周りの風景を申そうしながら5分くらいたった

     
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    937 : 1/4[sage転] 投稿日:2010/01/29(金) 01:00:51 ID:jsO54iou0 [1/5回(PC)]
    事件に関する重要な記録をここに公開する。 
    ICレコーダーによる記録である。 
    吹き込まれた声は基本的に可美村(かみむら)緋那(ひな)のものだけである。 
    彼女は警視庁の刑事であると共に、IZUMO社航空機墜落事故の唯一の生存者である 
    可美村貴代(たかよ)ちゃん(事故当時十三歳)の叔母でもある。 
    貴代ちゃんは事故の怪我によって、長らく植物人間状態と見なされていたが、 
    先日、意識をはっきりと回復していることが確認された。会話が出来るほどには回復していないため、 
    奥歯に電極を取り付け、歯を噛み合わせると電子音が鳴る仕組みでコミュニケーションを可能にした。 
    イエスの場合は二回、ノーの場合は一回、歯を噛み合わせてもらった。 
    貴代ちゃんの精神安定のため、部屋には緋那さんと貴代ちゃんの二人だけである。 
    カメラなども設置していない。 
    以下が記録である。 

    「こんにちは」 無音。 
    「私のことを覚えていますか」 二回。 
    「ええ、緋那おばさんですよ。少しお話をしてもいい?」 二回。 
    「今日はお日様が出ていますね。気持ちいいですか?」 二回。 
    「お外に出ます?」 一回。 
    「ここでいい?」 二回。 
    「そう。それじゃあ、ここで」 無音。 
    「あのね、おばさん、事故の時の話をしたいんだけど、いい?」 無音。 
    「駄目?」 やや後、二回。 
    「駄目なの?」 一回。 
    「いいの?」 二回。 
    「それじゃ、聞きますね。貴代ちゃんは旅行の帰りだったんですね」 二回。 
    「空港を出た時は何も異常はありませんでしたか」 二回。 
    「他の乗客の人たちは普通でしたか?」 二回。 
    「飛んでいる最中に何かが起こったのですね」 四回、間断なく。 
    「それはYESということ?」 三回。 

     
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    920 :名無しの心子知らず:2010/01/28(木) 00:13:17 ID:Kmji4tRE 

    うちには祖母から譲り受けた人形がある 
    西洋人形で、凄く可愛い人形 
    名前は仮にエミリーとしとく 
    このエミリーは祖母が骨董屋さんから譲り受けたもので、曰く付き 
    エミリーは、実母から虐待受けた子供が持っていた人形で、その子供が自殺したあと、エミリーに魂が乗り移ったとかなんとか 
    そんなエミリーは、その逸話をバカにした旦那を三日三晩謎の高熱で唸らせた強者 
    さて本題だが、私が旦那と結婚した年、いろいろな騒動があって、しばらく実家に厄介になることになったんだけど、その時隣近所のママ(幼稚園の子供もち)にエミリー盗まれた 



     
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    870 : 1[sage] 投稿日:2010/01/27(水) 16:44:53 ID:sarATqMa0 [1/3回(PC)]
    私は今、独り暮らしをして3年目にる。 
    掃除をしていたところ、実家から持ってきた石を久々に見つけたので、 
    そのエピソードも思い出してみた。 
    うっかり長文になったので、3回くらいに分けて書き込みます。 

    数年前、雨が降る日だった。 
    冬の終わりのころ、冷たい雨だったと思う。 
    婆ちゃんがなくなって数ヶ月…経っていなかったかもしれない。 
    寂しい寂しいと、爺ちゃんはよく言っていたから、 
    元気にしているだろうかとお父さんやお母さんと一緒に会いに行った。 

    とりあえずは元気そうだと安心して、1,2時間経ったころに別れを切り出す。 
    いつもどおりに握手をして帰る。 
    小さいころから決まった別れのやり方。帰るときは握手。 

    車は家横に置いてある。そこは坂になっていて、家は普通の道よりも下にあるのだ。 
    ちなみに、家の下に行けば畑が広がる。 
    大地主だったころの名残だとかで、今も畑は広い。 
    家の向かいには山だってある。 
    この日は雨が降っていたこともあって、 
    畑にも山にも足を運ばずにそのまま帰ることにした。 
    車の横には山茶花の垣根。 
    垣根に囲われるようにちょっとした木だったり植物だったりが植えてある。 
    そこから家までの間は2m弱あり、 
    そこには補正していない駐車場にあるような灰色の角ばった石が敷き詰められている。 
    この道を行くと畑に抜ける。 

    家の前でもう一度「バイバイ」と爺ちゃんと言い合った後、私はふと横を見た。 
    家と垣根の間。

     
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    805 : 本当にあった怖い名無し[] 投稿日:2010/01/26(火) 13:51:39 ID:UAwy5Pfj0 [1/3回(PC)]
    では一つ、 

    私の地元に大図書館と呼ばれている図書館がある 
    普通の市の図書館なのですが、かなり大きめで、別館が木造 
    かなり雰囲気のあるその面持ちから誰が呼び始めたのか 
    私が小学生の頃(大体十二年以上前から)からそう呼ばれている。 

    そこで体験したはなし 

    中学の夏休みの時に、部活の調べ物で大図書館に来ていました。 
    中学の時は囲碁・将棋部に所属していて、その会誌みたいのを夏休みに 
    作ろうということになり、図書館でそれ関係の本を探していました。 
    その調べ物自体はすぐに終わり、後は個人的に借りたい本や 
    面白そうな雑誌を見て回っていました。 
    ぶっちゃけ夏休みなのにもうやることがなく、家でゴロゴロするよりは 
    外に出た方がそれなり健康的だと思ったのと(嘘) 
    大図書館はクーラー完備だし、なによりジャンプとかマガジン、はたまた 
    アニメ雑誌やエ本まであるというビックリな感じの図書館だったというのもあり 
    結構入り浸ってました、今考えたら迷惑な連中だったのかも・・・ 

    で、私はこの休みを利用して前から興味があった「三国志」を読んでみようと思い図書館の中を探し回っていました。 
    かかりの人に聞けばいいのですが、何か自分の中で「自分で見つけないと駄目」という 
    まぁ何とも面倒なルールを付け、本を探すことにしました。 
    すぐ見つかっても面白くないのと、大図書館の探検も兼ねてウロチョロすることに

     
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    201 : 本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:2010/02/04(木) 23:50:40 ID:by/kt61D0 [1/2回(PC)]
    子供の頃、俺の家の隣には母子家庭の親子が住んでいた。 
    子供は俺と同い年の女の子で、とても可愛いい娘だった。母親も美人で、とても優しい人だった。 
    お母さんの身体が弱かったのであまり裕福ではなかったけれど、二人はとても仲が良くて、幸せそうな親子に見えた。 
    俺と女の子は、家が隣同士だったこともあって、凄く仲が良かった。周りの友達から冷やかされたりもしたけれど、気にはならなかった。 
    俺はその子のことが好きだった。 
    子供心に、ずっとそんな平穏な日々が続いていくのだと思っていたけど、それは突然終わりを告げた。 
    小学校4年の時に、その子の母親が再婚したことがきっかけだった。 
    再婚相手は暴力団風の男で、定職にも就いていないようだった。昼間からブラブラしていて、おまけに酒癖が悪く、夜中に大声を上げて暴れる音が、俺の家にまで聞こえてきた。 
    その子の母親が、顔を腫らしている姿を良く見かけるようになり、女の子のほうも、手足に痣を作ることが絶えなくなった。 
    女の子の表情は日に日に暗くなって行き、心配する俺に「あの男がいるから、なるべく遅くなるまで家に帰りたくない」と言った。 
    俺は少しでもその子の力になりたくて、毎日、日が暮れるまで彼女に付き合って、外で一緒に遊んだ。 
    ある日の帰り道、彼女が「K君(俺の名前)、私のこと好き?」と聞いてきた。 
    俺は突然のことで驚きながらも、「うん、好きだ」と正直に答えた。 
    彼女は「じゃあもし私が何か困ってた時は助けに来てくれる?」と聞いた。 
    俺が「うん。絶対助けに行く」と言うと、彼女は嬉しそうな表情を見せて、俺の両手を黙ってギュッと握った。 
    彼女たち一家が姿を消したのは、その2日後のことだった。 
    近所の人の噂では、あの男のした多額の借金のせいで夜逃げしたらしい、ということだった。 
    俺は必死で彼女の行方を探そうとしたが、当時小学生だった俺の力では、何の手がかりを掴むこともできなかった。

     
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    28 : 5[sage] 投稿日:2010/01/13(水) 23:30:15 ID:GT//eygb0 [6/8回(PC)]
    普通は二つの目の黒目は同じ方向を向いてるじゃないですか。 
    でもこの子の目は、右目の黒目は右の目尻に、左の黒目は左の目尻に 
    それぞれくっついていて、しかもそれが目の半分を占めていました。 
    女の細い目の中の半分が黒目になっていたんでびっくりしました。 


    そしてその目に驚いて「ひぁっ」と声を出した瞬間、 

    女の細い目がガン!と見開き、 
    フヒー!!フヒー!!と甲高い声で叫び(鳴き)はじめました。 


    その瞬間、部屋の四方をドンドンドンドン!!と何人もが叩く音と 
    外から数人の男の声で「♪ドンドンドンドンドンドンドンドンドン」 
    と歌う声が聞こえました。 

     
    【女の細い目の中の半分が黒目になっていた  後編】の続きを読む

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